あんにょん♡韓ドラまみれのmamiです。
Netflixで配信中の「マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜」全16話、見終わりました。
序盤から淡々と進む暗くて地味なドラマでしたが、これが意外とハマる面白さ。思いやり溢れる下町の人情に涙する感動物語でした。
今回もほぼネタバレなしで見どころ・感想を紹介したいと思います。
*「マイ・ディア・ミスター」は現在dTVでも見放題配信中です。
作品情報
放送
2018年 / tvN・水木 / 全16話
原題:私のおじさん
演出:キム・ウォンソク
トキメキ☆成均館スキャンダル
ミセンー未生ー
シグナル
マイ・ディア・ミスター
アスダル年代記
脚本:パク・ヘヨン
また!?オ・ヘヨン
マイ・ディア・ミスター
キャスト
イ・ソンギュン:パク・ドンフン役
IU:イ・ジアン役
パク・ホサン:パク・サンフン役
ソン・セビョク:パク・ギフン役
冒頭あらすじ
私に起きた小さな奇跡。最高の結末が明日への活力をくれる。人々の温かい繋がりが、観る者の心を癒す感動のヒューマンストーリー
建設会社で働くドンフン(イ・ソンギュン)に、ある日、差出人不明の5000万ウォンの商品券が届く。直前に母から、無職の長男のために、家を売って食堂をやらせたいと相談されたドンフンは、それを受け取ってしまう。翌日、ドンフンは匿名の告発を受けた監査部から調査を受けることに。しかし、商品券は彼の机からこつ然と消えており、ドンフンは答えに窮する。すると、突如商品券がビルのゴミ置き場から見つかる。ドンフンは「5000万の商品券を捨てた男」として社内で英雄扱いされることに。商品券を捨てたのは契約社員のイ・ジアン(IU/アイユー)だと知ったドンフンは、自分が捨てたことにしてほしいと彼女に頼む。すると、ジアンから交換条件として1ヶ月間食事をおごってほしいと言われてしまう。実は、ジアンは、ドンフンの妻ユニ(イ・ジア)と不倫関係にある社長ト・ジュニョン(キム・ヨンミン)からお金をもらうため、ドンフンを陥れようとしていた。そうとは知らないドンフンは、ジアンに関わるうちに彼女が多額の借金を抱えていることや、孤独な人生を歩んできたことを知り、少しずつジアンを助けるようになる。そんなドンフンの優しさに触れるたびに、ジアンの心は少しずつ揺らぎはじめ・・・。
予告編動画
【公式】韓国ドラマ「マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~」DVD予告編
ハマり度
★★★★★
とっても地味だけどとっても奥の深いドラマで自然と涙してしまう感動作!大ヒットドラマ「ミセン」や「シグナル」を手掛けた演出家作品というのも納得で、最後まで見てわかる物語の全ての要素が緻密に組み立てられたストーリー、繊細な表情で心情を語る俳優陣の演技、盗聴アプリという小道具の演出が効いた素晴らしい作品でした。
見どころ・感想
このドラマは、社会の底辺で生きてきた”私”と、人生の重さに耐えながら無味乾燥な毎日を生きる”おじさん”、そのおじさんの周りにいる人生にやるせなさを感じている大人たちが、現代社会で希薄になりつつある人々の温かい繋がりで癒されていく姿を描いたヒューマンストーリー。
”私”イ・ジアンは、若くして死んだ母の借金を背負い、耳が聞こえずに寝たきりの祖母を抱えながら朝から晩まで働き詰めの生活。なかなか借金が返せず借金取りの男からたびたび暴力を受け、すべての感情を失い、ただお金のためだけに生きている21歳。
ジアンを演じているのは歌手のIUちゃん。「麗~花萌ゆる8人の皇子たち~」では可憐で可愛いヒロインを演じていた彼女ですが、今回の役は全話通してすっぴん無表情で性格のキツイ役。今まで人に優しくされたことがないために感情表現が下手なジアンというキャラを最後までブレることなく演じていたIUちゃんがとにかく素晴らしかったです。
もう一人の主人公”おじさん”パク・ドンフンは、建設会社”サムアンE&C”の建築構造技術者。とにかく真面目で部下からの信頼も厚い部長だけど、本人は中年ながらの悩みや葛藤を抱えながら生きていて、社内政治争い、兄弟の悩み、妻との関係など常にむなしさを感じていながらも誠実さと人情は持ち続けている。
ドンフンを演じるのは、いい声で有名なイ・ソンギュンさん。こんなアジョシ(おじさん)がいたら誰でも惚れてしまうのではないかと思うくらい、人間的な魅力の持ち主なのです。どんな状況でも言いたいことをグッと飲み込むという究極の忍耐キャラはイ・ソンギュンさんの落ちついた大人の雰囲気にピッタリでした。”盗聴アプリ”から聞こえてくる低温ボイスは最高です。
このドラマ、序盤からジアンに対してもドンフンに対しても見ていて心苦しくなる展開で、この救いようのない感じがどんな展開で最終回を迎えるのか、私はとても興味津々で見ていました。
ジアンは闇金融の取り立て屋イ・グァンイル(チャン・ギヨン)から目を覆いたくなるような激しい暴力を受け、
ドンフンは、会社の社長でもあり大学の後輩でもあるト・ジュニョン(キム・ヨンミン)が画策する社内政治に巻き込まれるだけでなく、この社長がドンフン妻ユニ(イ・ジア)と浮気しているというショッキングな始まり。
ジアンは、ドンフンを邪魔に思っている社長のスパイとして雇われるのですが、彼女がドンフンを陥れるために使ったのが”盗聴アプリ”なのです。この盗聴アプリから聞こえてくるドンフンの声=言葉、足音や息遣い、そして何も知らないドンフンの思いやりある温かい行動がジアンの閉ざされた心をどんどんほぐしていきます。
それに社長とドンフンの人間性を比較することで、ジアン自身も成長し、いつの間にか陰でドンフンを助けるようになるのです。ドンフンもまたそんなジアンに励まされるようになります。
で、このドラマの面白いところは、ジアンの心を動かすことになったのがドンフンの優しさだけではなかったところなのです。ドンフンの兄弟や友人たちが抱える人生の生きづらさもまた、彼女に影響を与えているところでした。ジアンは今が辛すぎて早く歳をとりたいと願うのですが、ドンフンやドンフンの兄弟や友人たちを見て、おじさんやおばさんになっても今の自分とたいして変わらないという、ある種の共感がジアンの心を開くきっかけになっているのもよくできた脚本だなと思うところです。
序盤はとっても冴えない高学歴”おじさん”3兄弟(笑)。3兄弟のお母さんはあのコ・ドゥシムさんです。このおじさんたちがいなければ、このドラマにここまでの温かさを感じることはなかったはず。兄弟に何かあればすぐに駆け付ける優しくて仲良し3兄弟。最終回、長男が作った「人生最高のしびれる瞬間」には私もしびれまくりでした!
右上:長男サンフン(パク・ホサン)会社を退職して無職
左下:次男ドンフン(イ・ソンギュン)主人公 大手建設会社部長
右下:三男ギフン(ソン・セビョク)仕事なしの映画監督(無職)
ドンフンの同級生ジョンヒ(オ・ナラ)が経営する居酒屋『ジョンヒの店』。何かあるとすぐにここに集う仲間たちがとても温かく素敵な人々ばかりでした。ジアンの姿が見えないと心配し、姿が見えると嬉しそうにたくさん話しかけるちょっとおせっかいなおじさん、おばさん達がとっても温かいのです。孤独に生きてきたジアンが「生まれ変わったら、この町に生まれたい」というセリフにはそうだよね!そうだよね!と納得でした。
でも、狭い人間関係で成り立っている町っていいところだけじゃなくて、外から来た人間にとっては厄介でもあるし、その中で育っていながらこの町での生きづらさを感じて出ていく人もいる…いいところだけじゃない部分も描かれているところもまた魅力のひとつでした。私は地元が小さな田舎町なので、この部分にはすごい共感。こんな話、よく聞きます(笑)地元を離れて都会に住んでいる私からすると、羨ましいこともたくさんあるのですが…
終盤につれ、人の温かさに涙するシーンがどんどん増えます。自分のことのように怒ったり喜んだり泣いたり、人が人を思う温かさに改めて気づかせてくれます。主人公2人だけでなく登場人物一人一人の生きづらさに共感でき、でもそれが全てスッキリ解消されてハッピーエンドを迎えるドラマでなく、過去の自分や他人の過ちを責めず、許しながら毎日を一所懸命に生き、今よりほんの少しだけ楽になる、そんな小さな幸せを噛みしめる現実的なドラマです。
縁とはとても不思議でとても尊い。
だから自分が幸せになることで恩返ししなさいよ。
まとめ
このドラマを見ていると人と人の出会いって本当に奇跡なのだと思わされます。まさにジアンにとってドンフンとの出会いは奇跡。最後にジアンが笑顔になれるシーンには、心の底から良かったと思えます。
そして、最後まで見てわかる”盗聴アプリ”というの小道具を最大限に使ったストーリーの緻密さと奥深さには感動ものです。特に借金取りのグァンイルにはもう!チャン・ギヨン君の演技には目が離せませんでした。
序盤の暗さでリタイアした方にも、ぜひ最後まで見て欲しいオススメドラマです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
*2020年6月視聴完了*
mamiオススメOST
人生に絶望的なヒロインに希望を与えてくれるようなこの曲がとってもいいです。